UMB2014 本選 R-指定 VS DOTAMA （延長）のバース解説

バトルMC（ラップバトル）の大会「UMB」の2014年の本戦-R指定 VS DOTAMA のバースについて解説、感想を語っていきます。各バースの書き起こしは耳コピなので間違いあるかもしれません、ご了承ください。

UMB2014 について

B BOY PARK1999~2001でKICK THE CAN CREWのKREVAが３連覇を達成し殿堂入り、伝説となった。

ULTIMATE MC BATTLE（UMB）では３連覇達成者はこれまでおらず、2012、2013年と優勝したR指定にとってこのUMB2014は3連覇がかかる大会である。

そんな中2回戦でのマッチアップはDOTAMA。2011年の１回戦ではR-指定を破り、2013決勝ではR-指定に敗北と因縁の相手であるが、バトルの内容も壮絶でMC BATTLE界の歴史に残る名バトルとして語られる。

各バース解説

延長前と入れ替わり 先攻R指定 後攻DOTAMAで16小節×2本での勝負。

1バース目

延長前と変わってゆったりとしたビートの延長。しかしこのゆったりしたビートにR-指定は倍のリズムで乗ってフロウのスキルを見せつける。１発でこの乗せ方、さすがにうますぎる。

フロウ重視で韻は少ないが小節の末尾で韻を踏むようしてリズムを外さないようにしている。

UMB2013決勝でのDOTAMAからの「MCバトルの申し子 でもミュージシャンとしてはトーシロ」というラインへの1年越しのアンサーを返しつつ「どうしようと」「落ちそうよ」「ご馳走（様）よ」と韻を展開した上で「DOTAMAのスタイル韻踏むのかギャグラップなのかよくわからんブレすぎ！」と痛烈にDisる。

「このflow お前は絶対乗れないよ」に対してしっかりDOTAMAも倍で乗せてフロウもできるとアンサー。ここでちゃんとフロウできなければこの時点で負けが確定していただろうがしっかり返すDOTAMAもさすが。無理に合わせてペースを乱してしまうとR-指定の術中だったが正面から打ち返した。

後半は延長前のR-指定のラストバースの「アルバムも出したツアーもやったワンマンもやった」に対してのアンサーになる。「アルバム出してるけど超微妙だったじゃんか」と言っているが、UMB連覇してリリースした1stアルバム「セカンドオピニオン」は誰が見ても素晴らしい出来である。

しかしワンマンがガラガラだったのは確かで「人気がない」というDisはある意味では刺さっている。今や大人気のR指定がこの時はライブやってもガラガラだったというのは今から考えるとなんとも不思議な気分である。

8小節終了時点で16小節だったことを忘れてたような感じで一瞬止まるがすぐに気づいて立て直した。UMB2014でR-指定と16小節で戦った相手は予選のKZ、本戦2回戦のDOTAMA（未遂）、本戦の決勝のGOTITが小節間違いをしている

2バース目

１バース目とは全然違うフローでまた引き出しの多さを見せつける2バース目。UMB2010、2011と本戦では1回戦負けをしたがそこから2連覇と駆け上がった。アーティストとしてもライブがガラガラという０の状態から同じように駆け上がっていくんだという熱いバース。

延長で16小節というところで「お前じゃ勝てないぜ〜」から体力切れ感が感じられる。しかしそれを体力勝負→殺戮ショー→アトミックボムとパンチラインに昇華させる。R-指定の粘り強さというか底力が見える。

全く韻を踏まずに熱く返していくDOTAMAも少しスタミナ切れ感否めないが最後「ギャグラップが頂点になる方が
絶対すげぇんだ」で締めることでなんとか形にした。

余談だがR-指定が武道館でライブするようになってもちゃんとDOTAMAはラップをやめずに続けている。そしてUMB2017で悲願の優勝を遂げることになる。

結果

再延長。判定は観客はR-指定、陪審はDOTAMA：4　 R指定：3でDOTAMA

個人的にはさすがに観客判定通りR-指定優勢だと思うが因縁の対決であることから空気を読んだ（？）陪審がDOTAMAに挙げて再延長となった感がある。

R-指定が完全に勝つか完全に負けるかしないと決着がつかないような状態のUMB2014で、さらにR-指定を倒すとしたらDOTAMAであって欲しい、という思いがあったのかもしれない。